キリンカップ:日本代表のペルー、チェコ戦を見て

今回の試合で今後厳しそうなのはCB全員と岡崎。
CBは全滅。ヘッディングできないCBは厳しい。イノハは何をするにも足りていなかった。ワールドカップ本戦を見据えると厳しい。吉田も今野も相手が相手とはいえ高さ勝負で負けることが多かった。どちらかを中澤か闘莉王に代えるのが妥当。丁寧なプレーをしていたのは槇野。相手は既に疲れていたがそれでも目立った。


岡崎はポジショニングはいいがその良いポジションで受け取る技術がない。ワンタッチゴーラーとしての役割とサイドMFでの守備要員が働き所だろう。先発は無い。
 

李は良い出来だった。ポストするタイミングもいいし高さ勝負も負けてはいるが粘りがある。あがく勝負をしにいける逞しい選手だ。足元にきたボールを落とす際の制度は不安定だが下がってくるタイミングが何よりいい。前田に比べると運動量は少ないが動き出すタイミングは良かった。広島で3-4-3をやれているアドバンテージを見事に出したと思う。ペルー戦とチェコ戦を踏まえて前線の布陣は左から香川、前田、李を希望したい。


内田は本田が下がってプレーするので上がるタイミングが取りづらいように見えた。本田との連携が取れない分、個人能力での突破を余儀なくされ持っている物以上の事を要求された試合だった。要求されてできなかった部分はポテンシャルから考えれば今後出来うることとも思える。アスレチック能力に頼ってきたということを身に染みて感じられたのではないだろうか。ボール扱いの技術を手に入れればいいだけなのでそれは今後に期待。


トップ下が居ないとボランチのプレーにペネトレイトをするプレーが要求されるのではと感じた。遠藤か長谷部はサブに回しボールを持ちつつ侵入をはかれる選手がそこにはいる必要があるのでは?サイドに人を割いているシステムなので真ん中からペネトレイトはしやすいはずなのだが長谷部と遠藤ではパス&ゴーがせいぜいで持ちつつトラップでかわしつつ侵入はできない。ザックが家長を入れた意図は自分のしてほしいことと合致した。長谷部はトラップのつたなさとパスの雑さ(味方が取れにくいバウンドをさせる)が目立った。そのせいでパス周りはおそいし又遅くする原因を作っていた。チームを一段上に上げるなら彼には退場してもらうのが良いだろうと思う。本田、家長のダブルボラを希望。


初戦のペルー戦と今回のチェコ戦を見るに前田も李も裏抜けは良くしていた。前田のファー待ちは監督の指示だとしてもファーで待つタイミングが早すぎるように思う。岡崎や誰かが中に侵入するタイミングで外に出るなら分かるが最初から外にいるのはそれは違う。そこで待っているという事は敵に手の内を最初から明らかにしているという事。選択肢を一つを相手は見ぬけているという事で相手は楽だろう。あのファー待ちは今後一切やめるべき。それと中に誰もいないときは外に行ってはいけない。中にいなければならない。でなければ外で詰まった時の苦し紛れのクロスを上げづらい。それはつまり味方を見放しているという風に見える。スペースをあけるプレーを多くするがそれが度が過ぎていて味方を見放しているプレーになっている。もっと自分を出せ。遠慮をするな。 
残念なのはペルー戦の前半15分と前半16分の裏抜けの際にクロスが上がってこなかったことだ。ファーに行く流れで途中でニアに入り敵の前でフリーになる動作がその二つの時間にあった。その動きで前田は点を量産してきた。15分は安田、16分は遠藤がともにクロスを上げなかった。彼らは前田の長所を何も知らないのだろう。前田もそのプレーを要求していないのだろう。最も得点する確率が高いプレーを2回連続で見逃されたことに絶望した。前田はもっと要求をするべし。あのプレーを分かってもらえなかったら君は今後、多くの得点はできない。遠藤と安田はもっと味方の長所を理解すべし。理解しないことは勝利を放棄していることに等しい。なぜならば得点を放棄していることと同義だからだ。


持ちつつ突破ができないのならアスレチックな能力に頼っていくしかないわけですからそこで長友と内田を使うというのは理解できます。で、それでも無理ならピンポイントパスでという事でピンポイントにマークを外せる前田が有効なのも分かります。だが前田を理解しているMFが全くいないというのはどういうことだろう。個人で突破できる何かを誰も持っていない、フィジカルでも圧倒できない、なら得意な形を持っていてその形に持ち込めば高確率で点を取れる前田に合わすのは悪くない選択だ。つくづくペルー戦の15分と16分の安田と遠藤のプレーが残念だ。


全体的に見てトラップの技術とパススピードが足りなかった。パススピードを上げればトラップができない。緩いスピードでは崩せない。この3-4-3を使いこなすには皆一様に技術が足りなかった。


個々能々鍛錬すべし。