アニメ「その着せ替え人形は恋をする」を全話見て

主人公なんだけど、ヒロインを異性として意識してドギマギするよりも先に、友達として意識して(主人公は過去に友達がいたことがない為)ドギマギしているのが面白いですね。ヒロインの家に初めて行った時も初めて友達の家に来てしまったみたいな感想で、いやいやそこは初めて女性の家に来てしまったが先じゃないんかーい、と思わずツッコミを入れてしまいましたわ。

 

適度に微エロな描写が挟まれている男子向けのボーイミーツガールで単純に楽しめて良かったかなと思います。設定もギャルだけどアニメとギャルゲーオタクのヒロインと雛人形しか見てこなかった友達がいない陰キャな孤独な主人公との出会いモノでベタではあるんだけど序盤早々にヒロインが主人公のことを好きだと自覚するパターンなのが私には久しぶりで新鮮でした。なんか付かず離れずで友達以上恋人未満的な微妙な関係のまま進んでいって最後にお互いの気持を確認するような話の流れかなと勝手に思っていたのでヒロインの海夢(まりん)ちゃんが主人公に好意を持ってからデレまくっているのが可愛くて、次はどんなデレ方をするのだろうという妄想が、この作品を見る原動力になっていました。

 

主人公は友達がいなかったせいか人との距離感を測るのが苦手と思われ、そのせいか異常に人に親切なのが主人公感・ヒーロー感を出してて見ていて清々しかったです。でも人間臭いところもあって、ヒロインの水着写真で自慰行為をしてしまったであろう的なことを匂わせた描写やラブホで写真を撮ることに夢中になってふと気がついたらヒロインと密着してて思わずラブシーンへ突入してしまいそうになるところとか青少年ぽさが随所に出ていて、人が良いだけじゃないのが見てる側には感じられて(ヒロインには気づかれていない)面白かったです。

 

あとは劇中劇のアニメの中で現実のアニメのリスペクト(オマージュ)をしているところも楽しめました。「うるさいうるさいうるさい」は灼眼のシャナだろうし、フラワージュエルが濁って闇落ちする劇中劇のアニメ(キュゥべえみたいなやつも出てくる)はもちろんまどマギだろうし、その辺りも分かりやすく提示していて面白かったです。

 

作画もすごく良いですね。エッチなシーンの作画がかなり動いててヒロインが艶っぽく映し出されていてサービスカットとしてよく機能していたと思います。

あと8話の作画、神作画の連続で小躍りしました。波の作画はエモかった。二人の青春の象徴みたいな。うまくいえないけど力が入っているなと感じました。

 

それとこれは現実的なものなのですが、コスプレ周りの事情が分かっていくのも興味深く見ました。目の形の変え方とか、メイクの仕方とか、大雑把に言うと服の作り方など。ああ、あとカメラの使い方、写真の撮り方もレクチャーがありましたね。主人公がコスプレやアニメ・ゲームに詳しくない疎いところから始まっているので主人公とともに見てるこちら側も少しづつコスプレに関して知られて「へぇ~」と唸ることが多かったです。コスプレ入門にも良い作品かもしれませんね。

 

小ネタで気になった所を少し。

二人が江ノ島の海岸に行きそこでハンバーガーを食べている途中でそのハンバーガーを上方からトンビに掻っ攫われてますが、あれは本当にあります。江ノ島近辺では物を食べてるとトンビにガンガン襲われます。ご注意ください(藤沢市民より)。

 

 

最後にヒロインは告白するんだけど主人公は寝ていて聞いて無く二人の関係性で言えば両思いだけど進展せず結局何も変わらずに最終回を終えました。どうしたって二人の続きが気になるしジュジュ様の再登板も気になるし夏休みが終わって学校で二人の仲が噂されてひと悶着あったりするのかなとか妄想が広がるしで2期はマストでやって欲しいと思います。

近い将来にこの願いが叶うことを願っております。


#着せ恋