銀河英雄伝説 #35「決意と野心と」

「みたかユリアン。あれが名将の戦いぶりというものだ。明確に目的を持ちそれを達成したら執着せずに離脱する。ああでなくてはな」(ヤン・ウェンリー



「気づいたにせよ奪ったにせよ最初の者が賞賛を受ける資格がある。それは当然だ。だが自分の実力や努力によることなく単に相続によって権力や富や名誉を手に入れた者が何を主張する権利があるというのだ。血統による王朝などという存在自体がおぞましい。権力は一代限りのものでそれは譲られるべきものではない。奪われるものなのだ」(ラインハルト・フォン・ローエングラム



「なあユリアン、おまえが軍人になるというのなら忘れて欲しくないことがある。軍隊は暴力機関であり暴力には2種類あるということ。」
「良い暴力と悪い暴力?」
「いやそうじゃない。支配し抑圧するための暴力と開放の手段としての暴力だ。国家の軍隊というやつは本質的に前者の組織なんだ。残念なことだが歴史がそれを証明している。権力者と市民が対立したとき軍隊が市民の味方をした例は少ない。それどころか過去いくつもの国で軍隊そのものが権力機構と化して暴力的に市民を支配さえしてきた。」(ヤン・ウェンリー