ワールドカップアジア最終予選 ウズベキスタン-オーストラリア(0-1)


ウズベキスタンの攻撃は岡田マリノス後期のサイド攻撃と似ていました。サイドで2,3発ダイレクトかまして最初にパス出した選手が縦に抜けていったら、そこに当てるというもの。縦に当てる時に裏を取れればかなりのチャンスですが実際はすぐに警戒されて裏は使えず足下に出さざるをえなくなり、そこを読まれてオーストラリアにことごとくパスカットされていました。


例えサイドを突破できても、ダイレクトで繋げるためにかなり走っているからか体力的に余裕が無くなっているようでクロスの精度は余りよくありませんでした。またチャンスになりそうな雰囲気のあるクロスが上がったとしても、オーストラリアの体格がよく背が高いDF陣の壁を崩すことは殆どありませんでしたね。


其れをかいくぐってFWにボールが渡ったこともあるにはあったのですが、一点リードされていることやFWに渡るチャンスそのものが少なかったからでしょうか、FWのシュートは常に急いていて本来の力を出せていないように見えました。



オーストラリアは1点リードしてからは全くと言っていいほど前に出てきませんでした。露骨な時間稼ぎを後半開始直後から行っていて、1-0で逃げ切る気満々な様を見せつけていました。


カウンターでチャンスになりそうになっても上がりは殆ど無くキューエル兄さんがボールを保持し時間が作れてやっと誰かが上がってくる次第でそれ以外は味方が居ようが居まいが左サイドの裏へただ出すばかりでした。


オーストラリアのボール回しを見るにピッチの状態の悪さがかなり影響していたように思います。まごついているシーンがよく見られました。急な環境の変化に対応できないというよりかはアジアのアウェーでの戦い方をまだよく分かっていないような気がします。


アウェイであることや初戦であることなど様々な要因があるのでしょうが勝つことよりも負けなければよいと考えているのではと思えてしまう程、攻めることについては消極的だったように思います。


ホームでは分かりませんがアウェイでは今回の試合のように戦っていくのかなと思いました。先取点を取って引いて固めて、後は身体的に優位な特徴をいかして跳ね返す。カウンターは出来ればするが無理はしない。点取れなければ負けなければ良いぐらいな。アジアにおいて有利な体格の良さを露骨に使って後半のエネルギー消耗を抑えようとしているようにも見えました。アジアカップでは後半かなり動けなくなっていましたし、その時の教訓かもしれません。



日本代表と戦うにあたってですがオーストラリアの場合だと日本の右サイドが狙われそうです。そこをどう処理し自分達の攻撃につなげていくか。攻撃時には中央のでかい人たちをどう騙していくか。セットプレーだとクロスは余り期待できず、直接入れるしか無さそうです。


ウズベキスタンだとFWのプレスを抜けられた場合のサイドの裏・バイタル前を狙われるのでそこをどう潰していくか。サイドの場合、抜けられても精度そのものが怪しかったりクロスを上げるまでに割と人数を割く感じなので中央の田中と中澤がクロスの対象にしっかり付いていれば大丈夫そうですが問題は中央突破の対処にありそうです。取りに行って体が入れ替わって抜けられてしまうパターンが出てしまうと厳しくなりそうですね。

2敗していて後がないので引いてくるとは考えにくいですしチームのスタイルとしても引いてくるとは思えません。次節日本のホームでの試合はどちらのチームにもチャンスが多く作られる派手な試合になりそうです。ただしチャンスは多いかもしれませんがフィニッシュに関わる精度はどちらも褒められたものではありませんので得点そのものは少ないと思います。どちらもチャンスは多いがどちらも点は入らない、そんな感じだろうと思います。