娘DOKYU!@ガッタスシリーズ(6/7)

第47回 ぬかり無し

前大会では3-3と引き分けた相手CHOOP。この引き分けにより最終戦では勝たなければ優勝が無い状況に追い込まれていた。最終戦では善戦するも一歩届かず、1-1の引き分けでカレッツァに優勝を譲る事になる。試合後にベンチで泣き崩れているガッタスの面々がいた。ガッタスで初めて見せた悔し涙だった。
今大会は得失点差でCHOOPを超えている為引き分けでもリーグ1位で優勝決定戦には進める。しかしながらメンバー誰一人として引き分けで良いとは思って無いだろう。北澤豪監督が語っておられたように、あの時の悔しさを忘れずにここまでやってきたのだから。借りは此処で返すしかない。
試合前の待機場所で吉澤ひとみ藤本美貴石川梨華がなにやら話している。1試合目のDream戦ではボールを持てたから前に行ったけどCHOOP戦では危ないから後ろにいるとの吉澤の言葉。藤本も上がる時は声を掛けてくれればと答える。カウンターがCHOOPの主戦術という事を皆身をもって知っている。



吉澤がバックパスはしない方が良いのではと投げ掛けている。前大会のCHOOP戦での経験を自分の中で分析し一つの答えを出していた吉澤ひとみ。どんだけフットサルにはまってんだよ(笑)




試合が始まった。開始して数分にCHOOP先制。もっさんのボールをカットしたCHOOP10番の通称がちゃピンが左サイドを駆け上がり辻の出先を見て冷静にゴール右角に流し込む。





此処で北澤監督が動く。里田に替わりフットサル研修生是永美記を投入。前大会では2点取られるまで動く事は無かった北澤監督。今回は失点後すぐに動いた。監督もCHOOPの強さを身をもって知った人。同じ徹は踏まない。


采配は当たった。こぼれ玉をそのまま持ち込み左サイドを突き抜ける。勢いそのままゴール前にいた石川梨華にセンタリング。軽くあわせて同点。



普段ゴール前で我慢して居続ける事は結構出来ない。マークを放したい思いがある人は動いてスペースに走ってしまう。石川梨華は我慢できる人。敵と競り合いながらもそこに居続ける事が出来る人。立派なストライカーだ。まぁ今回の場合はそれ程待っていた訳では無いけれどね。




決めポーズな石川梨華




1-1のまま残り2分を切った。同点でも優勝決定戦には進める。しかし彼女達は守りを固めて時間を進める様な戦いを選びはしなかった。
ゴールクリアランスをあさみが頭で藤本に流す。藤本は足で狙うが敵DFにカットされる。こぼれ玉を敵DF2人ともっさんがガチャガチャボール支配権争い。そこにCHOOPの選手2人の間をすり抜ける小さい影が。あさみだ。
 



こぼれたボールを藤本が触ろうと寄り行く前に飛び込んでダイレクトでシュート。DFが壁になっていて見づらいGKは反応が一瞬遅れる。しかもダイレクトで打っているためタイミングは取り辛く虚を突かれた格好。咄嗟に手を伸ばすも掴みきれずゴールとなった。ダイレクトで打ったあさみの完全なる得点。常にシュートを意識していたあさみの完全なる勝利。此処にまた一つ埋れていた才能が解き放たれた。
 
 
 



タイムアップ。結果は2-1。また一つ彼女達は乗り越えた。






そして決勝の相手はカレッツァ






新たな伝説が始まっていた。